心の根を養う(令和2年10月号)
- 2020.10.13 | 今月の言葉
≪心の根を養う≫
先日見ていたテレビに高橋尚子さんが出演されていました。
皆様ご存知の通りあのシドニーオリンピックのマラソンで金メダルをとったあの人です。
彼女が高校時代の陸上部の顧問の先生に教わった三つの言葉を披露していました。
一、何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。
二、疾風に勁草を知る。激しい風が吹いた時に本当の強い草が分かる。
三、丸い月も一夜だけ。いい事は長く続かない。
事あるごとにこの三つの言葉を噛みしめることで高橋さんの人間としての根が養われたのだろうと思いました。
そして今月の致知の特集が「根を養う」でした。
この機会に社員の皆様にもう一人、戦後日本の教育界の国宝とまで言われた東井義雄先生の教えの一端をご紹介します。
氏の業績はいろいろ広範囲の及びますが紙面の都合がありますので、毎年卒業していく子どもたち一人ひとりに卒業証書と別に手渡していた自筆の色紙のいくつかをご紹介します。
(一)、ほんものは続く、続ければほんものになる。(早朝マラソンを続ける女子生徒に贈った言葉)
(二)、あすがある、あさってがあると考えている間はなんにもありはしない。かんじんな今さえないんだから。
(三)、自分は自分の主人公、世界でただ一人の自分を創っていく責任者。
(四)、問題に追いかけられるのではなく、問題を追いかけていく。
(五)、一を粗末にしては二に進めない。三、四、五、六、七、八まで進んでもまだ九(苦)を越えなければ十の喜びはつかめない。
(六)意味というものは、こちらから読み取るものだ。ねうちというものは、こちらが発見するものだ。すばらしいもののなかにいても意味が読み取れずねうちが発見できないならガレキの中にいるようなものだ。
今回は人間学を学ぶ月刊誌致知から、その一節を皆様にご紹介しました。どうか何度も読んで皆様の心の根の一助としてください。