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「渋沢栄一」のこと(令和4年2月号)

 

 

 

≪「渋沢栄一」のこと≫

 

今月の致知の特集が、「渋沢栄一に学ぶ人間学」となっていました。

皆様ご存知のように、渋沢栄一といえば去年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、あと2年もすると新一万円札の肖像になる人です。昨年が没後90年の節目の年だったのでいろいろな企画があったようですが、新型コロナの影響で何も出来ず、それであえて致知の今月号の特集になったのでしょう。

対談や揮毫きごうにたくさんの有名人が登場していますが、私が一番興味を持って読んだのが彼のお孫さん、曾孫さん、玄孫さんのお話でした。孫といっても99才で現役のエッセイストの鮫島純子氏です。

『「お金は働いて溜まるかすだ。」お金を得ることを目的に働くのではなく、志を抱いて一生懸命に働いたらまるで機械が回って油滓が出るようにお金は自然と貯まる。』これが祖父が良く口にしていた言葉です。日本の近代化の立役者であり、実業の世界で偉大な業績を残し「論語と算盤そろばん」などの著書を通じて道徳と経済合一を提唱し、道徳と教育の大切さを説きました。しかし彼は学歴はまったくありません。当時の幕末の志士は皆そうですが、学歴など皆無です。ではどうして教養を身につけたかといえば、江戸時代の教育では当たり前のように論語をはじめとした古典を学び暗唱していた。そしてそれを自分の血肉にし、志にまで昇華できていた。

こうして人格陶冶じんかくとうやの古典を幼少期から学んだことが渋沢栄一の人格形成の土台になったのでしょう。
それから先は皆様がTVで観られたように一橋慶喜の家来になり、フランスに渡り、その間に時代は明治となり、我が国の近代化に大きく貢献し、合本主義を唱えて500にも及ぶ会社の設立に関わることになりました。

最後に前述の鮫島氏の「自分ひとりが幸せになっても嬉しいものではない。皆が幸せになって初めて本当の幸せなんだ。」といつも祖父が言っていました。

それほど日本人だけでなく世界の人類の平和を願っていた人のようです。

代表取締役会長 古庄忠信

 

 

 

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